てつやのブログ

臨床検査技師と怪談、時々過払金 怪談会ではsakainotetsuyaと名乗っています。

実話怪談 4

黒い影

 

2019.9.3 夜20時頃の事

 

私は用事を済ませ、帰路についていた。

 

幹線道路は20時といえど、往来する車は多く道路は夜の様相を呈していなかった。

 

私は幹線道路の分岐を左に折れ、自宅のほうに向かう道へと入った。

 

幹線道路から外れると車はなく、街灯が頭を垂らし等間隔に光を落としていた。

 

私は街灯を右手に車を走らせ、横目に街灯の光を見ていた。

 

するとちょうど街灯と街灯の間の闇の部分に何か黒いものが見えた。

 

最初は街灯の影だと思ったが、明らかに幅が大きい。分かりやすく言えばドラクエのゴーレムのような形をしている。

 

黒い影は右手と思われる部分を振りかざしていた。

 

街灯の太さ、後ろのフェンスの大きさから想像するに、黒い影は横幅70㎝程、身長180㎝程だと推測できる。

 

ここまでの事ではその黒い影は何かの見間違えだと思えるのだが、その影が移動した事で、その考えは否定の色が濃くなった。

 

私が右前方にその影をとらえた。すると車は走っているのにも関わらずその影が私の車と同じ速度で走るのだ。街灯の光を無視して。

 

私の車の影がその黒い影を作っているのだろうと考えたが、私の車の左側には光源となるものはない。

 

どこまで来るのか?と考えたその時、右手に民家があり、その黒い影は民家に吸い込まれていった。

 

あの黒い影がこの世のものか、そうでないかは分からない。

 

不思議な出来事を全て心霊に結び付けるのはいかがなものかと思う。

 

同乗者もいなかったので、私の見間違えかも分からない。

 

しかし、見えたという事実はあると思っている。