実話怪談 7
他殺現場
専門学校の時である。
私は当時の彼女と私の父の車でドライブに行き、暗くなったので少し海の夜景を見て帰ろうと、海岸線を目指した。
しかしあまり土地勘が無かったので、思ったような海岸線に出ることはなく、時間もないので、防波堤を前方に見ながら少し話をしていた。
私が前を向き、防波堤の上に広がる星を眺めていると、防波堤の向こうに、頭上に見えている星のような光が下から上に複数飛んでいっていた。
不思議に感じた私は、彼女にあの見える光は何かと問うたが分からないとの返答だった。
という事は、彼女にもその光が下から上に飛んでいく様は見えていたのだ。
数日後、老いた母親を殺害して遺棄した事件を彼女から聞かされた。
新聞に載っていた場所を確認すると、私と彼女が光を見たまさしくその場所だった。
さらに詳しく新聞を見てみると、殺害、遺棄された日付と、私たちが光を見た日付が一致していた。